ツケたり キッタり の元祖



                                               高野圭介

高野の碁   

私が家田隆二八段に私淑して、碁の指導を受けている。
もう十数年にもなるだろうか。
100局はすでに越えているが、先生の棋風とはどうも異なるらしい。

先生は私の碁(棋風)を折に触れ、いろんな角度で表現される。



高野の棋風評

                              家田隆二八段
 
 1
高野さんとは老朋友だ。思ったことが言える仲だ。
 
 2
 高野さんはツケたりキッタり、自在に打っている。

 3
高野さんはした手ごなしが巧いというと機嫌が悪いそうな。

(聞くところによると)
事実、上手に強くなると、した手の碁が打てなくなるとか

 4
 私は高野さんとは「ヨセの勉強をしている」 

 5
 普通、アマでもプロでも80歳ともなると、もっと弱くなってもいいが、
高野さんはいっこうに弱くならない。


 私自身にも理解しにくいこともあるようだが、
自分の碁の棋風等について貴重なご意見で、有り難いことだ。
まあ、そのようなのが本当なのだろう。

 アマとプロ  
私の「ツケたりキッタり自在」というのはアマの特権で、
プロの世界で通用しなくても、一向に差し支えない。

元来、アマはアマだけの世界で打つのが至当で、
アマがプロと争うことなんかすべきことでもない。

つまり、土俵とか次元とかで、表現される「場」が違うのだ。

 山下の棋風  
 過日の本因坊戦第4戦は久しぶりに感動した。
私が平素から心がけている打ち方なのです。

世界の違う碁で、自分には絶対に打てないことは解っているが、
本因坊道吾の打ち方は攻めたくるというのがどちらかというと、
アマの碁・即私の思想に似ているとさえ思えたのです。

山下道吾 vs 井山裕太

本因坊戦 第4局  

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「ツケたり、キッタり」

雛形の元祖
     
 もう60年以上も前、碁を始めた頃、
棋書と言えば、「呉清源十番碁集」の棋譜しか無くて、
何も解らないまま、そればかり並べていました。

その中に未だに
心に残っている碁が二譜あります。

 私の「ツケたり、キッタり」の雛形の元祖はこの辺りにあったのでは?

呉清源十番碁
互先  橋本宇太郎 vs   先番  呉 清源   白勝ち


互先  呉 清源    vs   先番  木谷 実   白勝ち